さて何が「田舎」かというと,家並み街(いや村)並みなんです.
家は全部石灰岩のレンガを積んで造った石積の家.屋根も(少し薄めの)石レンガで葺いてある家がほとんど.茅葺きもちょっとあるけれど,それも石を敷いた上に茅を載せてある.平屋が多いし,せいぜい2階まで.驚くなかれ,家は数百年も前の14〜18世紀に造られているんです.それが残っている.さすがにウーが造った家です.
4つの村(街)(Burfold;Broadway;Bourton-on-the-water;Bibury,なぜかBで始まる,それで「Bコース」をtour名としていたのかな)を回りましたが,それぞれがコンパクトで30分もあれば歩いて回れる.
それぞれの村ごとに数百年の歴史があり,それは家を構成するレンガの石灰岩の「色」で区別されます.4つの村がcreamy(クリーム色),黄色,白などと石の色が家の色さらには村の色を染めています.
家には,(前に紹介したサンタの入口の)煙突の外にはUHFのアンテナ(これはもちろん近代)しかない(電線は地下で,引き込み線や電柱がないことが大きい)ので,広い空間におもちゃのような低いウーの家並みが風景画のように収まっています.また,ボートン・オン・ザ・ウォータ(Bourton-on-the-water)の村中には幅が数mの小川が流れ,水鳥(鴨でした)がいる.(写真:ボートン・オン・ザ・ウォータの点景)
そう,数百年の間,戦(いくさ)や天災もなかったのですかね.まあ,ウーの家ですから「火事でも鉄砲でもびくともしない」でしょうね,というより「火事も鉄砲もなかった」のか.
Londonやイングランド地方(国)にはあんまり高い山がありません.London市街から一歩郊外に出ると,一面緩やかな丘しかない牧草地です.
放牧動物は牛ではなく羊(ラム),後は鶏(チキン)です.メリーさん(羊)は毛を刈られるだけではなく食べられる運命にあるとのことでした.食用が主です.
牧草地を縦横に横切る高速道路からの車窓からは人の姿が見えません.360度を遮るものがありません.国全体が島国で小さくても,この開放感がせせこましさを吹き飛ばしてくれます.
でも京都人であるボクは,3方山に囲まれて特に比叡のふところに抱かれた京盆地で安らかに生活できているんで,このイギリスでは落ち着かないかも.
イギリス(英国)は古いもの(伝統)を大切にする国です.
着ているものや人々の雰囲気が地味で,落ち着いています.石積みの建築物をはじめ,どこに行ってもそういう重み感を感じます.伝統や歴史の重みなんでしょうね.歴史の浅いアメリカの軽さや派手さとは正反対ですね.重みですから,ちょっとやそっとでは飛ばない,飛ばされない.そこに自信も感じます.
さらには,日本のようにマネをすることではなくて,伝統や歴史の重みから新しいもの(文化)を創造している.football(succer),競馬,クリケット,ラグビー,automobileなど屋外スポーツが盛んな訳が分かったような気がします.